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32糖質がエネルギー源になるには、ビタミンB1が必要!

ビタミンは、エネルギー源や体をつくる原料にはなりませんが、糖質、たんぱく質、脂質といった基本の栄養素が体内で円滑に働くために必要不可欠な栄養素です。その中でも糖質が体内でブドウ糖に分解され、エネルギーとなる際に必要となるのがビタミンB1です。食事から十分な量の糖質が摂れていても、ビタミンB1が不足していると、ブドウ糖をエネルギー源に変えられず、疲労物質となり体に溜まってしまいます。疲れやすい、痩せにくいと感じている方は、ビタミンB1の摂取量にも注目してみましょう。
ご飯・パン・麺類、お菓子など糖質を多く摂る方、アルコールを多量に飲む方、インスタント食品中心の食生活の方など偏った食生活ではビタミンB1が不足しやすくなりますので、積極的な摂取が必要です。
毎食摂る主食を見直すことでビタミンB1の摂取量が変わります。胚芽や外皮が取り除かれた穀物はビタミンB1含有量が少なくなっていますので、白米などの精製された穀類より、未精製の玄米、胚芽米、全粒粉パン、ライ麦パンなどの茶色い穀類を主食に選ぶことで、ビタミンB1摂取量を増やす事ができます。
また、ビタミンB1は水に溶けやすく、熱にも弱く、調理による損失が大きいビタミンです。ビタミンB1の流出を減らすには、電子レンジや蒸し器を使った調理法がおすすめです。
糖質摂る時は、ビタミンB1もいっしょに摂る事を意識し、疲れやすさ、痩せにくさを解消していきましょう。

糖質がエネルギー源になるには、ビタミンB1が必要!

31「血糖値」と「GI値」を知って、上手に糖質の管理を!

食品から摂った糖質は、体内で消化吸収され、最終的にブドウ糖となり、血液を巡り全身に運ばれ、体のエネルギー源として重要な役割を果たしています。
血糖とは、血液中に含まれるブドウ糖のことで、その量を「血糖値」といい、食前と食後で値が変化します。ブドウ糖が血液に入ると血糖値が上昇し、エネルギー源として利用されることにより血糖値は下がりますが、過剰摂取により、エネルギーとして消費されず余った分は脂肪として体内に蓄えられます。
また、血糖値を急激に上昇させた場合も脂肪の蓄積を促す要因となります。糖質に偏った食事は控え、バランスの良い食事を心掛けることが大切です。規則的な食事時間、腹八分目の食事量、食事で野菜などの食物繊維が豊富な食品を一緒に食べることも血糖値を高めない工夫となります。他にも食品を食べた時に血糖値の上昇率を示す指標「GI値」の活用も取り入れていきましょう。GI値とは、食後2時間までの血液中のブドウ糖濃度を食品ごとに相対的に表したものです。GI値が高い食品を食べると血糖値の上昇が速く、GI値が低い食品を食べると血糖値はゆるやかに上昇することがわかるものです。
食品に含まれる糖質量が同じでも、食品によって糖質の吸収度合いは異なるため、糖質量とその食品のGI値を知ることで、食品が選択しやすくなり、摂り過ぎない対策にも繋がります。「血糖値」と「GI値」を理解し、健康維持に欠かせない栄養素となる糖質を、上手に摂取していきましょう。

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30「炭水化物」の中の「糖質」の中の「糖類」とは!

「炭水化物」は、体内で吸収されて体や脳のエネルギー源となる「糖質」と、 体内では吸収されないが腸内環境を良好に整えてくれる「食物繊維」の総称です。「炭水化物」から「食物繊維」を除いたものが「糖質」となります。「糖質」はご飯、パン、麺、芋、果物、砂糖などの主成分で、健康維持には欠かせない重要な栄養素となります。
「糖質」は糖の数によって、単糖類、二糖類、少糖類、多糖類に分類されます。単糖類はそれ以上分解されない最小単位の糖質、二糖類は単糖類が2個結びついた糖質、少糖類は単糖類が3~10個つながった糖質、多糖類は単糖類が多数つながった糖質になります。さらに単糖類と二糖類は「糖類」に分類されます。糖質は種類によって体内での吸収速度が変わります。体内に取り込まれた糖質は単糖類にまで分解されてから吸収されるので、単糖類が最も吸収が速く、多糖類は吸収に時間がかかります。つまり「糖類」となる単糖類や二糖類は血糖値が急上昇しやすく、肥満に繋がりやすくなるため、「糖類」を控えた食生活を意識するとよいでしょう。「糖質」を極端に減らしてしまうと、疲労感や集中力の低下、筋肉量や体力低下に繋がり、免疫機能も低下しやすくなり、感染症リスクを高める可能性もあるので、過度な「糖質」制限は避け、「糖類」が多く含まれているお菓子やジュースなどを控え、「糖類ゼロ」の食品を上手に取り入れながら、「糖質」は適度に摂るようにしましょう。「糖類ゼロ」でも「糖質」の中の少糖類と多糖類や脂質が含まれていることもあり、「糖類ゼロ」がカロリーゼロではないことも覚えておきましょう。栄養成分表示をみる習慣も身につけていきましょう。

「炭水化物」の中の「糖質」の中の「糖類」とは!

29体内でたんぱく質の働きをサポートするビタミンB6!

食事で摂ったたんぱく質は、体内でアミノ酸に分解されてから、人間の体に必要なたんぱく質に再度組み換えられ、体をつくり維持するための材料やホルモン、酵素、免疫体など様々な生理機能にも関わり、体を動かすためのエネルギー源にもなっています。
そのたんぱく質の体内での過程において、ビタミンB群が重要な役割を果たしています。特にビタミンB6はたんぱく質の分解や組み換えを行う上で中心的な存在となりサポートをしています。食事で十分なたんぱく質を摂っていたとしても、ビタミンB6が不足することにより、たんぱく質の体内での働きが低下してしまうこともあります。ビタミンB6は体に蓄えておくことができない栄養素であるため、毎日十分な量を摂る必要があります。たんぱく質の摂取量が増えると、それに伴ってビタミンB6の必要量も増えることを覚えておきましょう。
ご飯やパン、麺類だけといった主食メインの偏った食事が続いてしまうと、ビタミンB群だけでなくたんぱく質も不足してしまいます。毎日の食事は、主食(ご飯、パン、麺類)+主菜(魚、肉、卵、大豆製品)+副菜(野菜、海藻、きのこ類)を基本に、バランスよくいろいろな食品を組み合わせて摂る事で、栄養バランスのとれた食事に繋がります。栄養素の組み合わせにも着目してメニュー選択をし、栄養吸収率を上げる食事も意識していきましょう。

体内でたんぱく質の働きをサポートするビタミンB6!

28たんぱく質を評価する「アミノ酸スコア」とは!

食品に含まれるたんぱく質は、体内で細かく分解されてアミノ酸となり吸収され、必要に応じて再度たんぱく質に組み換えられます。
体をつくり維持するための材料となっています。人間に必要なアミノ酸20種類のうち、体内でつくることができない9種類のアミノ酸を必須アミノ酸といい、食品から摂る必要があります。
食品によって含まれる必須アミノ酸の種類や量は異なります。
それをわかりやすく数値化し、それぞれの食品に含まれる9種類の必須アミノ酸の量がどのくらいの割合に達しているかを表したもので、たんぱく質を評価する方法の一つとして「アミノ酸スコア」があります。
100に近い数値であるほど理想的なたんぱく質食品となります。
肉、魚、卵、豆、乳製品は、必須アミノ酸がバランスよく含まれていて、アミノ酸スコアが高い食品となります。
動物性たんぱく質は、植物性たんぱく質に比べアミノ酸スコアの高い食品が多いですが、脂質もたくさん含まれているので、両方をバランスよく摂ることがポイントです。
アミノ酸スコアが低い食品でも、複数の食品と一緒に摂ることで、アミノ酸スコアは向上し、体内で効率的につかわれるようになります。
また、いろいろな食品を一緒に摂ることにより、炭水化物、脂質、ビタミン、ミネラルなど体にとって必要なその他の栄養素も同時に摂ることができます。
食事は多くの栄養素をバランスよくとり入れることが大切です。必要な栄養素を知り、選んで摂ることが健康な体の維持に繋がります。

たんぱく質を評価する「アミノ酸スコア」とは!

たんぱく質を評価する「アミノ酸スコア」とは!


2720種類のアミノ酸で作られている体内のたんぱく質!

たんぱく質は体の約20%を占めており、水分の次に多い生体成分です。内臓、筋肉、血液、骨、皮膚、髪、爪などを作る成分と、ホルモン、酵素、免疫体など様々な生理機能にも関わっています。
たんぱく質はアミノ酸からできています。たんぱく質の最小単位がアミノ酸になります。肉、魚、豆、卵、乳製品などの食品に含まれるたんぱく質は、体内に入ると胃や腸で分解されてアミノ酸となり吸収されます。その後は全身に運ばれ、 必要に応じたたんぱく質に再度組み換えられます。体内のたんぱく質は20種類のアミノ酸がいろいろな組み合わせで結合し、約10万種類のたんぱく質をつくると言われています。それぞれのたんぱく質は、構成するアミノ酸の種類、数、順序が決まっています。必要なアミノ酸のうち1種類でも欠けていると、他のアミノ酸では代用することができないので、たんぱく質をつくることができなくなります。20種類のアミノ酸のうち体内でつくることができない9種類を「必須アミノ酸」といい、食事からとることが必要です。体内でつくることができるアミノ酸を「非必須アミノ酸」といい11種類あります。必須アミノ酸と非必須アミノ酸は、体内でつくれるかつくれないかの違いであり、必須アミノ酸だけが必要であるということではありません。必須アミノ酸はたんぱく質として食事から摂らなければなりませんが、毎日 バランスよく食事を摂っていれば不足することはありません。食品によってアミノ酸の種類や数は異なるので、同じ食品ばかりを摂っていると、体内のアミノ酸バランスが偏ってしまいます。いろいろな食品を食事にとり入れ、必要なアミノ酸を不足 させない食事を心掛けましょう。

20種類のアミノ酸で作られている体内のたんぱく質!


26両方食べよう!「動物性たんぱく質」と「植物性たんぱく質」

たんぱく質は、炭水化物、脂質とあわせて三大栄養素と呼ばれています。
体を動かすためのエネルギー源と体をつくり維持するための材料となっています。
内臓、筋肉、血液、骨、皮膚、髪、爪などの体の大部分はたんぱく質がなければつくることができません。
また、体の機能を調整するホルモン、食べ物の消化や吸収に関わる酵素、体を感染から守る免疫体などもたんぱく質が材料となっています。
食品から摂れるたんぱく質は、肉、魚、卵、乳製品などに含まれる「動物性たんぱく質」と豆、大豆製品などに含まれる「植物性たんぱく質」にわけられます。同じたんぱく質でもそれぞれ特徴や性質が異なり、体での働き方にも違いがあります。動物性たんぱく質は、体の組織の材料となるたんぱく質を効率よく摂ることができ、植物性たんぱく質は、脂質が少なく食物繊維もいっしょに摂れるという特徴があり、組み合わせて摂る事が理想とされています。動物性たんぱく質だけ摂っていると、脂肪の過剰摂取に繋がり、また、植物性たんぱく質だけでは必要なたんぱく質を十分に補いきれず、栄養バランスが偏ってしまいます。
1日に必要なたんぱく質を「動物性たんぱく質」と「植物性たんぱく質」の両方からとりいれる食事を心掛けていきましょう。

両方食べよう!「動物性たんぱく質」と「植物性たんぱく質」


25コレステロールはバランスが大事!

コレステロールと聞くと体によくないイメージを抱くかもしれませんが、いろいろな働きを担っており、すべてが体に悪いわけではありません。
健康を維持していく上で必要な栄養素のひとつです。
血液中に溶け込んでいる脂質の一種で、細胞膜の形成や体の機能を調整するホルモンの材料、脂質の消化吸収を助ける胆汁酸の原料になり、その働きは多岐にわたります。
主に肝臓で作られますが、食べ物にも含まれています。
健康を保つために1日に必要なコレステロールの約2/3は体内で作られ、残り約1/3を食事からとることにより調整されています。
体内で作られる量や排出する量は常に一定に保たれていますが、食事からのコレステロール量の増加、加齢などで体内の調整機能が低下することなどによりバランスが崩れてきます。
コレステロールは、LDLやHDLという乗り物によって全身に運ばれます。
LDLは全身に届ける運送トラック、HDLは全身から回収する清掃トラックの役割を担っています。
善玉や悪玉と呼ばれることもありますが、善悪はなくセットで働くもので、バランスを保ちながら機能していることが必要です。
LDLコレステロールが増えすぎると血管内に蓄積し、HDLコレステロールが少なすぎると回収が十分行われず、血管に残ってしまうこととなり、血液の流れを悪くしてしまう動脈硬化を招き、心筋梗塞や脳梗塞といった重大な病気引き起こす原因となります。
コレステロールは、LDLとHDLのバランスを保つことも重要です。
揚げ物や甘い物、動物性の脂肪を控え、魚や大豆製品、食物繊維とビタミン豊富な野菜を積極的に摂るなど、食生活を見直し、コレステロールバランスを整えていきましょう。

コレステロールはバランスが大事!


24脂質は種類の選択を!オメガ3系とオメガ6系に注目

三大栄養素の一つである脂質ですが、健康維持やダイエットのために控えた方がいいと思っている方もいるかもしれません。
脂質は体を動かすためのエネルギーとなり、さらに体内に約37兆個もある細胞膜を作っています。
細胞に栄養を取り入れたり、細胞から老廃物を排出したりする重要な役割を担っています。脂質を制限してしまうと体がうまく機能しなくなり、体力の低下、血管の劣化、肌荒れを引き起こすこともあるのです。
ただ、脂質を摂りすぎると余ってしまった分は体脂肪として蓄えられる原因となるため、適正な量を摂る事と種類の選択が必要となってきます。
脂質は複数の脂肪酸によって構成されていて、特徴の違いによって分けられ、体に与える影響が変わります。
近年よく聞くオメガ3系は脂肪酸の一種ですが、摂取量が減少傾向にある脂質として注目され、血流を促し、血栓や動脈硬化の予防、中性脂肪を低下させ、ストレス緩和にも働き、心身の調子を整えてくれることがわかっています。
日本の食卓は魚や野菜がメインの和食から肉中心の洋食へ、さらに利便性や調理の簡略化を優先とする加工食品も増え、 脂肪酸の一種であるオメガ6系の摂取量が大幅に増加しています。加工食品にはたくさんの脂質が入っていますので、原材料 表示を確認する習慣をつけましょう。重量の割合が多いものから表示されるので、
先頭の方に脂質がかかれているものは、それだけたくさんの脂質を含んでいる食品となりますので注意が必要となります。 不足しがちな健康効果の高いオメガ3系の積極的摂取と過剰摂取により体に影響を及ぼすオメガ6系を減らして、適切な脂質の摂取バランスを見直してみましょう。

脂質は種類の選択を!オメガ3系とオメガ6系に注目


23抗酸化作用に期待!植物の力「ファイトケミカル」とは

植物である野菜類、果実類、豆類などは動くことができないため、紫外線、有害物質、害虫などの外敵から身を守るため、自己防衛物質を備えており、この物質を「ファイトケミカル」といいます。

ビタミンやミネラルなどの栄養素とは別の成分で、色素、香り、苦み、渋み、辛みなどとして含まれています。数千~数万種類あるといい、未確認の成分もまだたくさんあるといわれています。
健康によい影響を与える様々な機能性が、近年注目されている「ファイトケミカル」ですが、最も期待されている効果は、老化や病気を予防し、健康維持をサポートする抗酸化作用の働きです。
私たちの体は酸素を利用してエネルギーを作り出していますが、酸素を利用すると同時に活性酸素を生じます。また、飲酒、喫煙、脂質や糖質の過剰摂取、生活習慣の乱れも、多くの活性酸素を生み出しています。
活性酸素が増える事で内臓、血管、皮膚などが酸化し傷つき、老化や糖尿病、脂質異常症、動脈硬化などの生活習慣病の原因となっています。

この活性酸素に対抗するのが抗酸化作用となり、この働きは年齢とともに減少していきます。
体内で増えた活性酸素を除去していくことが、老化や生活習慣病などの予防となり、この力を持つ「ファイトケミカル」の抗酸化作用が今期待されています。
野菜類、果実類、豆類などの植物性食品を毎日の食事にしっかり取り入れ、活性酸素から体を守っていきましょう。

ファイトケミカル


22食物繊維は生活習慣病予防の強い味方!

五大栄養素の一つである炭水化物は、消化され体内で利用される「糖質」と「食物繊維」に分けられます。「食物繊維」は栄養素としてはほとんど吸収されませんが、善玉菌と悪玉菌のバランスを整えて腸内環境を良好に保ち、便通を促すなど、大腸まで運ばれ、そこでいくつかの生理機能を果たします。

食物繊維は、穀類、豆類、海藻類、きのこ類、野菜類、果実類、種子類など植物性食品に含まれ、溶解性、保水性、粘性、吸着性の違いなどにより、不溶性食物繊維と水溶性食物繊維に分けられ、体内での働きが異なります。

水に溶けない不溶性食物繊維は、胃や腸で水分を吸収して便の量を増やし膨潤することで便をやわらかくし、便の消化管の通過時間を短くし排便を促します。
有害物質を吸着して、便といっしょに排出してくれる作用もあります。

水に溶ける水溶性食物繊維は、特性となる粘性により食物の移動ペースを緩やかにすることで消化速度を遅らせ、食後の血糖値上昇を抑えます。
また、コレステロールを吸着し、体外へ排出を促します。

食物繊維は種類によって生理作用が異なるため、不溶性・水溶性のどちらか一方を摂るのではなく、様々な食品を組合せて両方をバランスよく摂取することがお勧めです。dietary fiber(ダイエタリーファイバー)とも呼ばれている食物繊維は、低カロリーで満腹感が得られるため、食事の過剰摂取を防ぎ、肥満予防となり、糖尿病、脂質異常症、高血圧、動脈硬化など、様々な生活習慣病予防につながります。毎日の食事に食物繊維を意識して取り入れていきましょう。。

食物繊維

食物繊維


21夏バテ予防に夏野菜でミネラル補給を!

気温湿度が高くなる夏の時期に、何となく体調がすぐれない、だるい、食欲が落ちたなど、夏バテといわれる体の不調を感じる方も多いのではないでしょうか。

気温が高くなると、体は体温を調整するために、汗をかいて体温を下げます。私たちの体は発汗により、体温を調整しています。夏バテになってしまう一つの要因として、汗をたくさんかくことにより、体にとって必要なミネラルも汗といっしょに体の外へ出ていってしまうことが考えられます。

ミネラルは、炭水化物、 たんぱく質、脂質、ビタミンと並ぶ五大栄養素の一つで、体の調子を整える大きな役割を担っていますので、 不足すると様々な不調が体に現れ、夏バテ症状を引き起こします。夏バテ予防のためには、ミネラルも意識して摂る必要があります。

夏バテによる体の不調に効果を発揮してくれるのが旬の夏野菜です。汗で不足した水分やミネラルが豊富に含まれているので、補給に最適です。コレステロールの吸収や食後の血糖値を抑えてくれる働きもあるため、生活習慣病の予防にも役立ちます。野菜ジュースやサプリではなく、太陽の日差しをたっぷり浴びて育った新鮮な夏野菜の栄養を積極的に取り入れ、早い夏を乗りきっていきましょう。

夏野菜

夏野菜


20水分補給の大切さ!

生きていく上で欠かせない水、体内では栄養や酸素を溶かし、各組織へ運び、要らなくなった物を尿として排泄し、また体温調整など体にとって重要な役割を担っています。

個人により体の成分は異なりますが、一般的に体内水分量は女性より男性の方が多く、加齢とともに減少します。成人男性の場合、体重の約60%(約36L)を水分で占めています。健康な人の場合、体外に排出された分の水を補給することで体内の水分量が一定に保たれるように調整されます。

日常生活において、食品に含まれる水分を食事により1日約1000 mlの補給があり、さらに摂取した食物の栄養素が体内で代謝される時に1日約200mlの水分が体内で産生されます。逆に失われる水分として、呼吸や皮膚から1日約900ml、尿・便から約1600 ml程度の水分が体外に排泄されますので、水分を毎日補う必要があります。必要な水分量は年齢や性別、活動内容などによっても変動はありますが、1日約1.300 mlを目標に、コップ1杯程度を6~8回にわけて飲むことをお勧めします。

喉の渇きは体から1%の水分が失われた時に感じるといわれています。 2%の水分が失われた時には、めまいや吐き気、食欲減退などの症状が現れてきます。水分不足は、熱中症、脳梗塞、心筋梗塞など様々な トラブルを引き起こす原因となります。喉が渇いたと感じた時には、すでに体内では水分不足となっている状況です。こまめに水分補給する習慣を心掛けましょう。

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19ビタミンEで動脈硬化予防を!

動脈とは、酸素や栄養素を含んだ血液を心臓から体内の各組織や臓器へ運ぶ血管をいい、動脈硬化とはその血管の内側にコレステロールなどが酸化し付着することにより、狭く硬くなり、流れが悪くなった状態をいいます。動脈硬化が進行すると、その動脈先にある組織や臓器が影響をうけ、機能の低下を招き、脳卒中や心筋梗塞といった重篤な病気を引き起こします。

加齢による老化に加え、偏った食生活や運動不足、肥満、飲酒、喫煙など様々な危険因子が重なり、長年続くことにより、起こる病気です。早期に生活習慣を見直すことで、発症や進行をおさえることができます。特に食生活は健康状態を大きく左右します。からだは食べた物からできていますので、何を食べるかきちんと選択し、健康維持と疾患予防に繋げていきましょう。

今回は、血管を健康に保つ作用のある「ビタミンE」をとりあげていきます。抗酸化力が非常に強く、老化を促す体内の酸化障害からからだを守る役割を果たします。不足すると、血行が悪くなり、冷え症や頭痛、肩こりなどを起こしやすくなり、シミやシワができやすくなることも知られています。

カボチャやアスパラガス、春菊、ニラなどの緑黄色野菜に多く含まれています。 食べ物に対しても酸化防御が作用しますので、揚げ物を食べる時は、抗酸化力のあるビタミンEを多く含む野菜と一緒に食べることをおすすめします。

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18ミネラルで体の調子を整え、健康維持を!

炭水化物、たんぱく質、脂質、ビタミンと並び、五大栄養素の一つとなるミネラルは、体内の水分調整や、骨や歯、細胞膜などの構成成分となり、臓器や組織のいろいろな反応を円滑に働かせるという重要な役割を果たします。

人の体でつくることができないため、毎日の食事から摂る必要があります。
厚生労働省では13種類のミネラルを必須ミネラルとして摂取量の基準を設定しています。その中でも必要量により体内の水分と塩分の調整を行い、骨や歯をつくる多量ミネラル(5種)と血液をつくるために必要不可欠であり、体内の代謝に必要な酵素やホルモンの構成成分となる微量ミネラル(8種)に分けられています。

体の中のミネラルはいつも一定の濃度に保たれています。食事から摂取するミネラルの不足や過剰が長く続くと、体内のミネラルは役割を果たせず、各ミネラル特有の欠乏症や過剰症が現れます。このため、健康の維持と増進のための「必要量」や摂取しても害のでない量として「耐容量」が設定されています。サプリメントや健康食品などでミネラル摂る場合には、摂取量に十分注意する必要があります。

ミネラルは互いに吸収や働きに影響を与えあうため、バランスよく継続的に摂取することが大切です。偏りを防ぐためには、ミネラルが含まれる魚、肉、豆類、野菜、海藻類などで主菜、副菜を揃える食事を心掛け、様々な食品を食べるようにすることが大切です。ビタミンのそれぞれの特徴に理解を深め、ミネラル摂取を意識した食生活を取り入れていきましょう。

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ビタミンの特徴


17ビタミンで病気予防を!

ビタミンはエネルギーや体の組織を作る成分にはなりませんが、工ネルギー生成や体の組織をつくる過程において、大きくかかわってくる大切な栄養素です。

体内での必要量はどのビタミンもmg(ミリグラム)や㎍(ミクログラム)レベルのごくわずかな量ですが、からだにとって欠かせない役割があります。必要量を満たさないと欠乏症を起こし、サプリメントなどでの摂取により過剰症を引き起こすこともあります。様々な食品を食べていれば、欠乏症を起こす事はありませんが、偏った食品の摂取や不規則な食べ方により、ビタミンの摂取量が足りず、栄養障害を起こす事があります。効果の必要性のあるビタミンだけとっていればよいというわけではなく、健康維持のためにはまんべんなく摂る事が重要です。毎日の食事は、主食(ご飯)+主菜(魚、肉、大豆製品)十副菜(野菜、海藻、きのこ類)を基本に、パランス良くたくさんの食品を摂る事で、複数のビタミンを吸収できます。

ビタミンには水に溶けず、油に溶けやすく、熱に強い性質をもつ脂溶性ビタミン(4種)と水に溶けやすく、熱に弱い性質をもつ水溶性ビタミン(9種)があります。水溶陛ビタミンは過剰に摂取されても体外に排出されますが、脂溶陛ビタミンは過剰に摂取すると体内に蓄積され、過剰症状を起こすことがあります。

普段の食生活の中で複数のビタミンを上手にとることで、それぞれの効果を高めることができます。

ビタミンの特徴について理解を深め、病気の予防につなげていきましょう。

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ビタミンの特徴


16骨粗鬆症とビタミンD

骨粗鬆症の予防にカルシウム+ビタミンDを!

骨粗鬆症(こつそしょうしょう)というなかなか言いにくい病名聞いたことありませんか。
骨の量が減って中身がスカスカになり、骨折しやすくなる病気です。
身長が縮んできた、背中が丸くなってきた、腰が痛む事が多くなったなどの症状がある方は要注意ですよ。
体を支えてくれている骨の健康ついて考えてみましょう。

骨は古くなった骨を壊して、新しい骨に作りかえながら丈夫な骨を保っています。骨に必要な栄養素の代表的なものとしてカルシウムは皆さんご存知ですよね。牛乳などの乳製品、小魚などに多く含まれるカルシウムですが、体へ吸収されにくく、たくさん食べても体への吸収はとても少ない栄養素なのです。カルシウム吸収率を上げて骨の形成を促してくれる栄養素があります。
その栄養素は魚に多く含まれるビタミンDです。骨の健康維持にはカルシウムとビタミンⅮを一緒に摂ることがポイントなのです。

また、ビタミンⅮは食べ物から摂る以外に、日光を浴びて私たちの体の中でつくりだすことができるのです。適度な日光浴が骨の健康に役立ちます。
もちろん、骨強度アップには運動も必須です。本格的なトレーニングでなくても、毎日の生活の中で散歩や買い物、家事や仕事で体を動かすなどの日常の活動量を増やす事で骨は刺激をうけ、骨自身を強くしていきます。
外へ出て日光を浴び、1日30分の散歩が骨の健康維持に繋がりますよ。
ビタミンⅮを食品から日光から取り入れて、丈夫な骨を保ちましょう。
ほんの少し意識を変えるだけで予防につながりますよ。

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15夏バテを予防しよう

今年の夏は命の危険を感じるような猛暑が続いていますね。夏バテや熱中症のような症状を経験されている方も多いのではないでしょうか。厳しい夏を乗り越えるため、食欲のある方もない方もこの機会に是非食事を見直しましょう。

ポイント① 色々な種類の栄養素をとりましょう

夏の食事はそうめんなどの冷たい麺類が多くなりがちですが、炭水化物だけのお食事になっていませんか?
夏バテを予防するには良質なタンパク質やビタミン、ミネラルといった免疫力を高めたり疲労回復に効果的な食品をとる必要があります。

麺類を食べるときには具だくさんにしたり、他のおかずと一緒に食べるようにしましょう。

豚肉には疲労回復を促すビタミンB1が豊富に含まれますが、もも肉などの赤身を意識することで効率よく摂取できます。また、野菜類や果物に含まれるビタミンCは免疫力や抵抗力を高めてくれます。

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ポイント②電子レンジを積極的に使用しましょう

暑い夏はキッチンで料理をすることもついお億劫になりがちですね。
そんなときは電子レンジを活用して涼しく料理をしましょう。

野菜はゆでずに電子レンジで調理をすることで、水溶性のビタミンが損失せず摂取できる栄養もUPします。手軽に食べられる野菜を用意しておくととても便利です。


ポイント③自家製フローズンデザートがおすすめです

アイスなどの冷たいデザートが美味しい季節ですが、食べ過ぎは糖質や脂質の摂取過剰にも繋がりエネルギー過剰となるため、自家製のフローズンデザートがおすすめです。

自家製と言っても、果物を凍らせたり、ヨーグルトを凍らせるだけでOK!

ヨーグルトは加糖タイプの個包装のものを凍らせるだけでアイスクリームのように食べられます。アイスと比べて低エネルギーかつ必要な栄養素も摂れるので代用品として是非お試し下さい。


14お鍋料理のポイント

寒くなりお鍋の季節になってきましたね。
お鍋は手軽に調理もでき、身体も温まり、たくさんの野菜が食べられるのでとてもおすすめのメニューですが、食べるときには以下のポイントに気をつけるととてもバランスよく食べることができます!

お鍋料理のポイント

野菜
きのこ
しらたき、こんにゃく

野菜はいくら食べてもOKです

お鍋料理のポイント



豆腐
ごはんや麺類などの炭水化物
*マロニーや春雨も気をつけましょう!!

このグループの食品を何種類も摂ってしまうと摂りすぎになりやすいので気をつけましょう。

お鍋料理のポイント

バラ肉
ベーコン
ウインナー

脂肪が多いためバラ肉ではなくもも肉に。

13減塩・節塩のススメ –中級編-

①調味料は「かける」のではなく「つける」

いつもの習慣で食べる前から醤油をかけることはやめましょう。
味覚は舌の味蕾という場所で感じます。
食品が舌に触れるところに味を付けておけば、少量の味付けでも十分に塩分を感じることができ、余分な塩分を摂らずにすみます。
また、刺身を食べる場合には両面に醤油をつけるのではなく片面のみつけて食べることも、些細な取り組みですがとても大切な習慣の改善につながります。

②加工食品は塩分が多いので控えましょう

あらびきウインナー1本 0.5g
薄切りハム/ベーコン1枚 0.4g
コーンビーフ100g 1.8g
焼き豚 厚さ1cm 1.9g
あじの干物 1.4g
塩鮭(甘口) 2.2g
塩さば(半身) 2.7g
まいわし丸干し 1.3g
しらす20g(大さじ1) 0.8g
さつまあげ 0.6g
ちくわ 0.6g
はんぺん 1.5g
明太子(1/2腹) 3.4g
6Pチーズ 1個 0.6g
スライスチーズ1枚 0.5g
インスタント味噌汁 2.1g

1食あたりの塩分は2g未満が目安です。比較すると高塩分なのがわかりますね!

加工食品は塩分が多い食品ですが、 どうしても使用する場合は調味料代わりとして使用し他の調味料は控えるよう工夫すると良いでしょう。
例)野菜炒めにウインナーを加えたら、他の調味料は控えめに・・・
塩鮭とお野菜をホイル蒸しにして、何もかけずに食べる・・・
サラダはチーズの塩分だけで食べる・・・など 

12減塩・節塩のススメ -初級編-

前回のコラムでは減塩・節塩の必要性や、知らず知らずのうちに塩分の取りすぎてしまっていることがわかりましたね。
今回は減塩・節塩の基本的なポイントについてご紹介します。

①漬物・佃煮などのごはんの友は控えましょう

梅干し 2.2g
きゅうりぬか漬け5切れ 1.6g
浅漬け白菜30g 0.7g
たくあん5切れ 1.3g
白菜キムチ30g 0.7g
昆布佃煮 0.4g
のり佃煮 0.9g

1日に何度も食べる習慣があると、明らかに塩分を多く摂ってしまうことがわかりますね!

小梅(1個0.3g)・らっきょう(5粒0.2g)は比較的低塩です。
ごはんの友は食べないことが望ましいですがどうしてもというときは、塩分の少ないもので代用しましょう。

②汁物・麺類は1日にどちらかを「1杯まで」にしましょう

一般的な味噌汁の塩分量 1.5g
インスタントの味噌汁 2.1g
コーンスープ 1.3g
ラーメン 8~10g
カップめん 5~6.5g
きつねうどん 6.6g
かけそば

5.0g

天ぷらそば 5.2g
焼きそば(付属ソースのみ) 3.8g
ミートソースパスタ 3.4g

麺類の汁を飲む習慣があった方は、まずは1/3まで・・・、5口まで・・・、3口まで・・・というように徐々に減らしましょう。

麺類の種類や食べ方によっては、1食で1日分の塩分を超えるものもあります。
麺類の汁は飲まずに残しましょう。
汁をすべて残しても35%以上の塩分は口に入ってしまうため1食で2gを超えてしまい、麺類を食べる回数自体少なくする必要があります。
また、天ぷらそばなどは衣が汁を吸ってしまうので、汁を残しても塩分摂取量は多くなる傾向があります。

11減塩・節塩のススメ –目標量を知りましょう!-

厚生労働省から報告される「日本人の食事摂取基準2015」では塩分摂取目標量が従来の目標量より少なく設定されました。

18歳以上男性 : 2010年版 9.0g/日未満 → 2015年版 8.0g/日未満
18歳以上女性 : 2010年版 7.5g/日未満 → 2015年版 7.0g/日未満

また、新たな項目として小児期からの生活習慣病予防のため、食物繊維とカリウムの6~17歳における目標量が設定されました。

一般的に日本人は9-10gと塩分摂取量が多い傾向ため、減塩は高血圧の方だけでなく幅広い世代の方に推奨されています。

さて、1食あたりの塩分摂取目標量は下記のようになります。

高血圧・心疾患・腎疾患などの方は塩分1日6g未満が推奨されているため更に厳しい制限が必要となることもあります。(*医師の指示に従ってください)

しかし、塩分と言われても「何をどのくらい食べると塩分○gなのか」わかりにくいですね。

下記に食品に含まれている塩分量の例を示しました。
これを見ると「塩分2g」はすぐに超えてしまう量だということがわかりますね。
まずは少し塩分を摂りすぎていることを認識し、今の食生活より少しずつ気をつけていくことが大切です。

梅干し 1個 2.2g
明太子 1/3腹 2.1g
あじ干物 1枚 1.2g
味噌汁 1杯 1.3~1.5g
納豆 1個 0.8g
醤油 大さじ1 2.6g
鮭おにぎり(コンビニ) 1個 1.4g
かけそば 1人前 6.5g
ラーメン 1人前 8~10g
チャーハン 1人前 4.4g
焼きそば 1人前 3.8g
スパゲッティ
(トマトソース)
1人前 3.9g
カレーライス 1人前 3.5g
牛丼 並盛 2.7g

*一般的な目安量です


10調理法によるエネルギーの違い②

気をつけなければ摂りすぎてしまう油や脂。 前回は調理法によるエネルギー量の違いについてご紹介しましたが、今回は食材の吸油率に関連したエネルギー量の違いについてご紹介します。

吸油率とは、食材が吸収する油の割合のことをいいます。特に食材の揚げ方や食材の切り方によって異なります。

★食材の揚げ方別の吸油率 
素揚げ 3~8%
から揚げ 6~8%
フライ 10~20%
天ぷら 15~25%

材料100gを揚げた場合…

フライや天ぷらよりも唐揚げや素揚げのほうが、衣に付着して口に入る油の量が少なくなります。また、フライに使用するパン粉は、生パン粉→目が粗いパン粉→目の細かいパン粉の順で吸油率が低くなります。揚げ方を変えられない場合にもなるべく衣は薄くつけるようにしましょう。

★食材の切り方の違いによる吸油率 
油に触れる表面積が大きいほど吸油率は高くなります。

同じ重量の野菜を細切りにしてかき揚げにする場合と、大きいまま天ぷらにする場合とでは油を吸収する量が11g、約100kcal異なることがわかります。揚げ物をするときには表面積が小さくなるように、大きく切ることを心がけましょう。

09調理法によるエネルギーの違い①

同じ食材でも調理法によってエネルギー量が異なるため、調理法次第でカロリーダウンをすることができます。

例えば、豚もも肉100gを調理する場合、揚げずにゆでた場合は約205kcalも出来上がりのエネルギー量に差が生じます。また、同じフライパンを使った調理法でも、細切りにして炒める場合と油を拭き取りながら焼く場合では約40kcalの差があります。

40kcalはごくわずかなエネルギー量のように感じますが、40kcalを換算すると大体ごはん一口分、みかん1個分、運動であれば約15分早歩きをして消費するエネルギー量相当です。

コツコツ続けられる工夫を見つけて取り組んでいきましょう。

調理時のカロリー変化

08年末年始こそ自己管理を!

年末年始にかけて飲み会が続き、日常の食事とは異なる食生活になる方が多いと思います。 この時期に体重が増えるのは毎年のことだから仕方がない・・・とあきらめていませんか?

そもそも、脂肪が1kg増える/減る場合、体のメカニズムは下図のようになっています。 *太る(脂肪が1キロ増える):消費エネルギー量よりも7000kcal多く摂取する

消費エネルギー量と摂取エネルギー量

*痩せる(脂肪を1kg減らす):摂取エネルギー量よりも7000kcal多く消費する

消費エネルギー量と摂取エネルギー量

*●kcalは年齢・性別・体格によって異なります。

つまり、1ヶ月で脂肪を1kg減らすには7000kcal/30日→233kcalを普段以上にコツコツと摂生しなくてはいけません。それよりも、体重を増やさない努力の方が簡単だと思いませんか?

運動を普段以上に行う、飲み会以外の食事では野菜中心の食事をこころがけ飲酒は控える、なるべく間食はしない、夕食後のデザートは控える、・・・等すぐにできる工夫を行い、体重を毎日計って、なるべく1週間の範囲で体重が安定するよう管理していきましょう。

07お肉の部位でカロリーダウン

だんだんと肌寒くなり秋が深まってきました。
食欲の秋は、食事がよりおいしく感じられてつい食べ過ぎてしまいますね。

今回はお肉の部位別のエネルギーをご紹介します。
食べる量を減らすだけではなく、肉の部位を変えても、こんなにエネルギー量が変わります。
なぜならお肉の部位はそれぞれ脂肪の量が異なるからです。
つまり、脂肪量が少ない肉ほど“低カロリー”になります。
肉の脂肪は “高カロリー”で肥満にもつながるだけでなく、LDLコレステロールを上げる要因になるためなるべく控えたい部分です。

お肉はできるだけ脂肪の少ない部位を選び、鶏肉は皮をとり、ひき肉は赤身のものを選んで上手にカロリーダウンをしましょう。

お肉の種類別カロリー

脂身なしの定義

06果物は適量を守って

なし、巨峰、いちじく、りんご・・・スーパーで見かける果物からも秋を感じられるようになってきましたね。

果物はビタミン・ミネラル・水溶性食物繊維の他に、糖質(果糖)を含む食品です。糖質は体や脳を動かすエネルギー源となるためとても大切ですが、摂りすぎると糖質過剰になり血糖値や中性脂肪を上昇させる原因ともなります。

したがって、果物の食べ過ぎは糖質過剰を招く原因のひとつとなるため、下記の適量を守って食べるようにしましょう。また、果物は皮ごと食べられるものを選ぶと食物繊維の摂取量が増えるためおすすめです。ドライフルーツや缶詰の果物はビタミンの含有量が少なく、糖質が多いため注意しましょう。

果物を食べるタイミングについては、朝の果物は金、昼は銀、夜は銅と言われるように、朝の糖質源として摂取し、夜はなるべく食べないようにしましょう。

果物の適量
りんご  中1/2個 180g
なし  大1/2個 240g
バナナ  中1本 170g
ぶどう  180g
巨峰などは10-15粒
みかん  中2個 270g
オレンジ  中1/2~1個
バレンシアオレンジは330g
ネーブルオレンジは150g
グレープ
フルーツ 
大1/2個 290g
キウイ
フルーツ 
小2個 180g
いちご  260g
柿  中1個 170g
マンゴー  中1/2個 230g
いちじく  中3個 180g
もも  大1個 240g
さくらんぼ  170g
アメリカンチェリーは100g

(g)は種子、皮、芯を含んだ量

05バランスの整った食事を!

生活習慣病の食事療法において食べてはいけないものはほとんどありませんが、食べると病気が治るといった特別の食品もありません。大切なのはバランスの整った食事をすることです。

では、「バランスの整った食事」というと皆さんはどのような食事をイメージされますか?
野菜を沢山食べればそれで完璧!というわけではありません。 バランスよく食べる簡単な方法は、下記の図のように「主食・主菜・副菜」を意識することです。

ここでは、品数にこだわるのではなく、様々な食品を一緒に食べることがポイントです。
例えば、今まではざるそば+おにぎりなど主食を2種類組み合わせていた食事は、月見そば+わかめのトッピングに変えることで炭水化物・蛋白質・食物繊維を摂ることができます。
また、主菜の摂りすぎや炭水化物の極端な不足にも注意をしましょう。
主食や主菜の適量に関しては個人差がありますので、管理栄養士にご相談ください。

04お酒の適量とは?

梅雨があけて毎日暑い日が続きますね。
ビールがおいしい季節となり、また夏は友人や親戚の集まりが多く、この季節は飲酒量が増える方が多いのではないでしょうか。
楽しくお酒を飲むためには健康が第一です。では、健康的にお酒を楽しむためにはどのくらいの飲酒が適量なのでしょうか。

下記は厚生労働省が「健康日本21」の中で推奨している一日当たりの飲酒量および注意点です。健康日本21によると、節度ある飲酒は1日平均純アルコールにして約20g程度であるとされています。特別な時には難しくても、体を大切に楽しいお酒が飲めるよう、日常では適量を守った飲酒を心がけましょう。

また、肝臓に過度な負担をかけないために休肝日を週1-2日設けましょう。(残念ながら、今日お酒を飲まなかったからといって、明日2日分飲んで良いわけではありませんが・・・)

ちなみに休肝日を設けるポイントは、あらかじめ曜日を決めておくことです。例えば金曜日や週末に飲酒の機会が多い方は、月曜・木曜は禁酒するといったようにルールを決めておくと実践度が上がります。曜日を決めておかないとなんとなく気分でお酒を飲んでしまうものなので、今回を機に自分の「お酒ルール」を考えてみましょう。

  1. 女性は男性よりも少ない量が適当である
  2. 少量の飲酒で顔面紅潮を来す等アルコール代謝能力の低い者では通常の代謝能力を有する人よりも少ない量が適当である
  3. 65歳以上の高齢者においては、より少量の飲酒が適当である
  4. アルコール依存症者においては適切な支援のもとに完全断酒が必要である
  5. 飲酒習慣のない人に対してこの量の飲酒を推奨するものではない

03意外と見落としがちな飲み物のカロリー!

夏になり暑くなると水分を摂る量も多くなりますね。
水やお茶以外に、スポーツドリンクやジュース、カフェでひと休みしながらコーヒーなどをいただくこともとあると思います。今回は意外と見落としがちな飲料のエネルギー量について取り上げてみます。

種類 エネルギー量
牛乳 200ml 134kcal
飲むヨーグルト 200ml 130kcal
無調整豆乳 200ml 92kca
豆乳飲料 200ml 120kcal
100%
オレンジジュース
200ml 84kcal
コーラ 500ml 92kcal
スポーツドリンク 500ml 95-125kcal
0kcalスポーツ
ドリンク
500ml 25kcal
未満
種類 エネルギー量
アイスティー(加糖) 500ml 80kcal
アイスミルクティー 500ml 165kcal
アイスカフェラテ 350ml 120kcal
某コーヒーチェーンの
クラッシュタイプのドリンク
350ml 200-420kcal
缶コーヒー(微糖) 185ml 35kcal
乳酸菌飲料 80ml 62kcal
野菜ジュース 80ml 70kcal
水/お茶 80ml 0kcal

食品成分表、各社栄養成分情報より引用

見てみると、某コーヒーチェーンの甘い飲み物はケーキと同じくらいのエネルギー量であることがわかりますね。
また、牛乳やヨーグルト、豆乳、野菜ジュースは体にいいからといって水代わりに飲んでしまうとうっかりエネルギー過剰の原因になってしまうことが多くあります。なんでも適量を守って飲むことが大切ですね。
スポーツドリンクについては、果糖やブドウ糖を含んでいるので、血糖値の気になる方は0kcalのものを選ぶことをおすすめします。

栄養表示の見方については第2回で詳しく説明していますので、ぜひ飲料の表示についても確認してみてください。

02栄養表示を見てみよう!

食品パッケージの栄養表示をご覧になったことはありますか?
日本では全ての食品に表示が義務づけられているわけではありませんが、栄養成分に関する表示をする場合には栄養表示基準に従った表示をするよう定められています。
そこで、今回は栄養表示を見るときのポイントを簡単にまとめてみました。

① 何グラムあたりの表示か?

栄養表示は必ず、100g(ml)もしくは1食分あたりの表示になっているため、表示されている栄養成分がどのくらい摂取した場合の値なのか正しく把握し、実際食べた量に換算してみましょう。

② どんな栄養成分が表示されているか?

もし栄養表示をする場合には
 エネルギー
タンパク質
脂質
炭水化物
ナトリウム

の栄養表示をするよう義務づけられています。
これに加え、③で説明するような「強調表示」を行う場合にはその対象となる栄養素についても表示が必要となります。

③ 「カロリー0」「カロリーオフ」「あまさ控えめ」・・・これらの表示とは?

最近ではこのような栄養成分や味に関する表示が多くなってきました。このような表示を強調表示と言い、記載する場合には定められた基準を満たす必要があります。強調表示について正しい知識を持っておくと賢く食品を選ぶことが出来ます。

代表例は下記の通りです。

表示 基準
カロリー0
0kcal
100ml(g)あたり5kcal未満
カロリー控えめ/ライト
低カロリー
100gあたり40kcal未満もしくは
飲料は100mlあたり20kcal未満
糖質0 100ml(g)あたり0.5g未満
糖質控えめ 100gあたり5g未満もしくは
飲料は100mlあたり2.5g未満

つまり、0kcalの飲料を500ml飲んでも25kcal未満となり、低カロリーの飲料を500ml飲むと100kcal未満のエネルギー量となります。似たような表示でもエネルギー量がずいぶん異なることがわかります。

④ ナトリウム≠塩分量ではない?

表示されているナトリウム量は塩分量とは異なり、
ナトリウム(mg)×2.54÷1000=食塩相当量(g)という式で求められます。
ナトリウム値以外に食塩相当量が表示されている場合もありますが、ナトリウム値の記載しか無い場合は塩分量を換算することが必要です。上記の式が難しい場合には、食塩1g=ナトリウム約400mgというのを覚えておくのも便利です。

以上のこと意識しながら栄養表示を確認し、賢く食品を選びましょう。

01肝脂肪を改善しよう

近年、脂肪肝は生活習慣病の増加とともに年々増えています。当院でも栄養指導を受けている患者さんの中に脂肪肝の方は多くいらっしゃいます。

脂肪肝は自覚症状や痛みがないため軽く見られがちですが、実は悪化するとNASH(非アルコール性脂肪性肝炎)、肝硬変、肝癌へつながることもあるため、早期に治療することが大切です。
そこで大切なのが食事や運動の習慣の改善と肥満の改善です。

食事においては、まず3食規則正しく均等に食べることを目指しましょう。
なかなか実践が難しい方は、特に夜遅い時間の暴飲暴食や食後のデザートの習慣、どか食いは控えるようにしましょう。
食べ過ぎ飲み過ぎにより過剰となった糖質や脂質は肝臓で中性脂肪として蓄積し、脂肪肝を悪化させる原因になります。

また、体重は1-2kg/月を目安に減量しましょう。無理なダイエットは筋肉から痩せてしまうため代謝が悪くなり逆効果です。

栄養指導についてより詳しくはこちら

田園都市線「たまプラーザ」駅直結
診療科目 内科・肝臓内科 ※小児科の診療は行っていません
住所 〒225-8530  横浜市青葉区新石川2-1-15
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